退職金と税金について
退職前になると退職金にかかる税金が気になりますが、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出すると退職金から所得税と住民税が源泉徴収されます。ここで注意したいのは住民税です。住民税は前年の所得に対して課税されますが、退職の翌年は前年の収入に対して住民税の支払が必要です。退職の年は住民税は前もって支払っているので、確定申告をして過払い分を取り戻すことができます。
さて、退職金を一時金でもらう可能性が高いのは勤続年数が短い人たちです。この場合の税金を計算してみましょう。例1)在職1年2ヶ月退職金30万円:所得控除は40万円×2年(1年を1日でも過ぎたら2年として計算)=80万円。80万円−80万円(勤続20年以下の場合の最低控除額)=0=退職所得となり、税金はかかりません。例2)在職半年で退職金50万円:半年は1年とみなします、所得控除は80万円(下限)なので、この場合も税金はかかりません。ただし会社によって退職規定がマチマチなので、一度会社の退職規定には目を通す必要があります。多くの企業の退職金規定では3年以上在職が退職金を受給できる権利とされています。
不幸にも従業員や役員が在職中に死亡した場合、死亡退職金を支払いますが、その場合の税務はどうなっているのでしょう?まず、そうした不幸な事例は予想外のことなので生命保険契約でカバーできます。保険料は損金扱いできます。次に遺族が死亡退職金を受取る場合の税務処理は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。また、相続人が受け取る死亡退職金は、相続税法上、法定相続人1人について500万円まで非課税とされます。弔慰金として受け取った場合は、その額が下記の範囲内であれば非課税財産とされ、これを上回った部分が退職金に該当するものとして取り扱われます(相続税法基本通達3-20)。★業務上の死亡の場合 死亡時の普通給与(賞与を除く)の3年分★業務外の死亡の場合 死亡時の普通給与(賞与を除く)の6ヵ月分
国の財政事情が悪化しているのは誰でも知っています。これまで退職金にかかる税金は他の税金と比べてかなり優遇されてきました。しかし、これも先行き不透明になりました。税制調査会の「個人所得課税に関する論点整理」では明確に将来、現状の優遇措置を実情に合わせて変えていくべき、との記述がされています。特に勤続20年を超える場合の控除額の急増、所得税の1/2課税、という点が問題として指摘されています。要は将来、退職金からももっと税金をとろうとする計画のようです。
